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「エストニアでノマドってできるのかな。IT先進国らしいけど、ネット環境はどうなんだろう。日本語の情報があんまりないし、よくわからないな…。」
と思ったので、実際に行ってきました。こんにちは、ウェブ系フリーランスのくろぽん(@ktsuyoc)です。
エストニアは2018年2月に「デジタルノマド用のビザを発給する予定」と発表しました。デジタルノマドというのは要するにパソコンで仕事をしているフリーランスで、ITを使って場所にとらわれない働き方を実現している人たちです。
エストニアからデジタルノマドビザが出ると、海外でフリーランスとして活動する現実味はかなり出てきます。とはいえ、エストニアが実際どのような環境なのかは、ネットを見ていてもあんまり出てきません。
そこでこの記事では、実際にエストニアの首都「タリン」でノマドをしてきたぼくが、
- 前提:エストニアは「デジタルノマドビザ」の発給を検討している
- エストニア、タリンのWi-Fi環境、SIM
- エストニア、タリンはノマドに適しているのか
- エストニア、タリンで実際に行ったカフェ、コワーキングスペース
- そもそもエストニアってどんな国?タリンはどんな町?
の順に、エストニアのノマド環境を解説します。
物価や治安、移住のしやすさも紹介するので、これからエストニアへ行きたいと考えている方はぜひ読んでみてください。
前提:エストニアは「デジタルノマドビザ」の発給を検討している
まず前提ですが、エストニアは「デジタルノマドビザ」の発給を検討しています。デジタルノマドビザとは、
- 最大365日のあいだエストニアでデジタルノマドとして働くことができる
- ビザがあれば90日のあいだEU圏内を旅行できる
- ビザの発給は2019年を予定している
というビザです。
参考:ASCII.jp:エストニア、デジタルノマドに1年間のビザ発行を検討
つまりエストニアという国は、観光がてらノマドできるのはもちろんのこと、ガッツリ住みながらヨーロッパでノマドワーカーができるのです。すごい。
とはいえ、インターネットやコワーキングスペースなどのノマド環境がよくないと話になりません。続いてはエストニアのWi-Fi環境やSIM事情について解説します。
エストニア、タリンのWi-Fi環境、SIM事情
ここからは、
- エストニア、タリンのWi-Fi環境
- エストニア、タリンのSIM事情
について紹介します。
エストニア、タリンのWi-Fi環境
エストニアの首都タリンはIT都市だけあって、どこのWi-Fiも爆速です。
エストニア、すでにめっちゃよい。中世の街並みがかなりキレイに保存されてて、ドラクエみたいな感じ。
しかも!Wi-Fiが!早い!ITの国だ!!!うおー!!! pic.twitter.com/xPDZCeCIDm
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月11日
地下でさえWi-Fiが通っています。ネット環境で困ることは全くありませんでしたね。
エストニア、ビールがめちゃくちゃおいしい。日本にはエストニアビールは「ポヤラ」という銘柄しかないのですが、現地ではむちゃくちゃ多くてスタイルもさまざま。何よりハイクオリティ!
そして!地下の店でも!Wi-Fiが!入る!さらに!早い!なんということだ!!
…あ、料理もおいしかったです。 pic.twitter.com/8BDejevpGI
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月11日
また、Wi-Fiを置いているお店も多く「おじいちゃんとおばあちゃんの社交場みたいなカフェ」以外はだいたいWi-Fiが通っていた気がします。
[今日はシニアの社交場っぽい「Energia Kohvik」でノマドだけど]さすがにWi-Fiがない。が、電源はある。そして英語があんまり通じてないかも?
特筆すべきはコーヒーの安さ。ほかのお店より1ユーロくらいお手ごろで、お財布にやさしい。昭和の名店感がある。 pic.twitter.com/TxIDVg8qJv
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月13日
エストニア、タリンのSIM事情
エストニアのSIMは1ヶ月3GBで500円ちょっとという安さです。複数カ国をまわるための海外Wi-Fiを持っていたので使いませんでしたが、エストニアだけ訪問するならSIMを買っちゃうのがベストですね。
町の売店(キオスク)で気軽に買うことができ、なんなら日本より安くて手軽なんじゃないかと思うレベル。
こうしてまとめると、エストニアのネット環境はかなりよいですね。
次は治安や生活全般など「エストニアのタリンはノマドに適しているのか」について幅広くお伝えします。
エストニアのタリンはノマドに適しているのか
結論、タリンはノマドにぴったりの町でした。ヨーロッパでもトップクラスかなと。
ここからはタリンの「おすすめポイント」と「微妙ポイント」を紹介します。
タリンのおすすめポイント
タリンで旅行をするさいにおすすめできるポイントは以下の通り。
[エストニア・タリンのおすすめポイント(旅行編)]✓中世のまま残ってる旧市街の町並み
✓ビール、コーヒーの質が高い
✓夏は涼しく、23時くらいまで明るい
✓物価が高くない
✓どこでも徒歩15分の圏内
✓治安◯
✓バルト海まで歩ける
特に「観光よりのんびりしたい」方におすすめです。 pic.twitter.com/YLxlW9Q4EY— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月16日
バスや電車、トラムを使わなくても町を楽しめるのは大きなメリットです。
個人的に散歩をよくするので、町がでかすぎると疲れ果ててしまいます。一国の首都にもかかわらず、徒歩15分で町のどこにでもいけるのはタリンのよいところ。
タリンに住むさいのおすすめポイントは以下の通り。
[エストニア・タリンのおすすめポイント(居住編)]✓1年以内の滞在ならビザが取りやすい
✓月10万円なくても暮らせる(冬は暖房で+月2万円)
✓行政の電子化で手続き◯
✓タリン市民なら公共交通がタダ
✓英語がかなり通じる
デジタルノマドビザやワーホリも準備中らしく、かなり現実的かなと。— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月16日
税金は高いのですが、
- (国民医療保険に入っていれば)医療が無料
- タリン市民なら公共交通が無料
なので納得感があります。教育費は日本と比べると安いそうで、語学留学もよいのではと。
医療は無料ですが、薬代などの出費はあります。また、日本のように全ての人が国民保険に入っているわけではなく、人によっては全額負担や民間の保険に入っているだけのことも。
また、公共交通は2018年よりエストニア全体で無償化される予定です。すごい。
そしてエストニアはヨーロッパですが、生活費もかなり安いです。外食は日本並みもしくは日本以上ですが、食材の値段は高くありません。家賃は光熱費込みで5万円からだそうで。
また英語がバリバリ通じます。ビザの種類もいくつかあり、取りやすいものを選べるのもポイント。
今回はタリン在住のYOKOさんにお話をうかがいました。エストニアの現地情報を発信しているブログ「EAT.SLEEP.TRAVEL」はぼくの貴重な情報源です。ありがとうございました!
タリンの微妙ポイント
ここまで「タリンはいいぞ」と言いまくってきましたが、当然ながら微妙なポイントもあります。
[エストニア・タリンの微妙ポイント]✓冬が寒い。ガチ冷凍庫。(家は暖かい)
✓エンタメが少ない。
✓Amazonない(UKから取り寄せで1週間かかる)
食べ物のバリエーションとかサービスとかは日本と比べると…ですが、それは日本がすごすぎるだけなので割愛。— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月16日
寒さがダメな人は冬のエストニアは厳しいかなと。気温はだいたい「-10〜-20℃」なんだとか。ただの冷凍庫です。
小さな国なのでAmazonの対応がビミョーだったり、ヨーロッパなのでサービスがビミョーだったりするのですが、とはいえぼくは許容できるかなと思っています。
次はエストニアのタリンで実際に行ったカフェ、コワーキングスペースを紹介します。
エストニアのタリンで実際に行ったカフェ、コワーキングスペース
ここからはタリンで実際に行ったカフェ、コワーキングスペースを、
- カフェ:Reval Café
- カフェ:The Living Room Cafe
- カフェ:Rukis
- コワーキングスペース:Regus
の順に紹介します。落ち着いて作業できるところばかりなので、タリンに滞在するさいはぜひ。
カフェ:Reval Café
[エストニアはタリンの「Reval Café」は]
・Wi-Fiはもちろん速い
・窓ぎわ席には電源あり
・コーヒーや食べ物がおいしい
・ビジネス目的の人が多めで集中できる
という感じ。ガラス張りで自然光が入るのもよい。今日はここでノマドします。 pic.twitter.com/MVztCwha2y
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月12日
角にあるお店で、かつガラス張りなので自然光がとってもよい感じでした。
別の場所でも見かけたので、たぶんチェーン店な気がします。場所は以下の地図でどうぞ。
カフェ:The Living Room Cafe
[タリンのカフェ「The Living Room Cafe」は]
✓産地でコーヒーが選べるこだわり
✓淹れ方も選べる
✓Wi-Fiと電源あり
✓ソファ席多めでまったり
✓静かで落ち着く
とよい感じ。集中して作業できます。サラダやハンバーガー、スープなと食べ物もクオリティ高し。 pic.twitter.com/qQtTOyBEIw
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月15日
コーヒー好きにおすすめのカフェ。淹れ方もドリッパーまで選べるこだわりようです。
大きな通りに面しているのですが半地下になっており、静かで落ち着くのもよい感じ。ソファや机にもこだわってそうです(が、家具に詳しくないのでなんとも…)。
カフェ:Rukis
[タリンの「Rukis」は朝ごはんからの作業で]Wi-Fiも電源もないので、やることや頭の整理にぴったり。エッグベネディクトとルバーブのレモネードで、カタカナがすごい朝でした。
食器や内装もさながら、接客がいい感じでびっくり。ヨーロッパ塩対応されがちなので…。 pic.twitter.com/7dsdEE6gL7
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月15日
店員さんがめっちゃハッピーなお店です。接客がちゃんとしている(つまり、わりと話かけられる)ので、どちらかと言えば観光向けかも。
ごはんがおいしいので、食事をしたあとに飲み物を頼んでノマドとかいい感じだと思います。
コワーキングスペース:Regus
[エストニアはタリンのコワーキングスペース「Regus」に来てる]・激広いデスク
・ロッカーつき
・電源あり
・神速Wi-Fi
・超清潔ミニキッチンあり
・コーヒーメーカーもあり
と、さすがの設備。ものが少ない点も◯。これで月200€(2.6万円)は安い。ルクセンブルクが本社で日本法人もあるとのこと。 pic.twitter.com/Lf4yTwohLr— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月13日
行ったあとに気づいたのですが、日本にもあるコワーキングスペースです。なんなら世界最大手だそうで。
当然ながら快適でした。が、エストニア感はありませんね。
というわけで、ここまでタリンのカフェやコワーキングを紹介しました。
個人的におすすめなのは、これらのお店が全て徒歩15分圏内にまとまっていることです。町並みを楽しみながら歩きつつ、ふらりふらりとノマドできます。
次はエストニアや首都タリンについて紹介します。
そもそもエストニアってどんな国?タリンはどんな町?
エストニアというと「IT大国」をイメージする方が多いかと思います。
実際トラム(路面電車)は「ウェブ上でチケット購入→スマホのQRコードで乗車」だったり、エストニア発の配車サービスがあったり、日本よりもIT化が進んでいると言い切れますね。
エストニアではUBERじゃなくてコレらしい。滞在中に使ってみたい。| Uberを追うエストニア発配車サービス「Taxify」–ドライバーを主役に https://t.co/Hf3TE19Wkg pic.twitter.com/14erRuNSzT
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月11日
あ、そういえばビデオ通話サービスの「Skype」はエストニアの企業です。いつもお世話になっております。
ですが、全てがゴリゴリにITかというと、そういうわけでもございません。
中世の町並みがそのまま残っている「旧市街」
タリンの「旧市街」と呼ばれるエリアは中世の町並みがそのまま残っており、町ごと世界遺産という。観光客も多めです。
あえて例えるなら、ゲームの世界。ドラクエっぽかったです。
前情報なしで行ったので「こんな場所もあるのか!」とびっくりしました。
タリンは治安がよい
そういえば、治安もよいです。安心して生活できそうだなー、という感想。とはいえ、置き引きやスリはあるらしいですが…。
あと、ロシアとの国境とかは荒廃しているらしく、小さい国とはいえ都市によって様相はかなり違うようですね、
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月13日
首都タリンに関しては治安がよく、日本並みなんじゃないかなと。
とはいえ、タリンを離れるとまた景色が違うようです。
夏はずーっと明るい、冬はずーっと暗い(らしい)
エストニアは”夜の”10時。「そろそろ夕方かな…」という感覚です。海外で夜道を出歩くのはよくない、と言われることが多いですが「夜とは…」と思わざるを得ない。
マジでずっと明るいんですが、そのぶん冬はずっと暗いらしいので、うつっぽくなる人もいるんだとか。とはいえ夏はめちゃいいですね。 pic.twitter.com/i3hE9pjT0L
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月12日
ぼくがエストニアを訪れたのは6月ですが、ずーっと明るかったです。ホントに23時くらいまでずーっと明るい。
逆に冬はずーっと暗いらしく、しかも極寒です。ノマドするなら確実に夏がおすすめ。
クラフトビールがおいしい
クラフトビールがおいしいのもエストニアの特徴。クオリティが高くてびっくりしました。
で、昨夜は近くのビールショップ(700種類以上あるらしい)でエストニアのクラフトビールを買い出し。3枚目がDIPA、4枚目がNEIPAという種類です。どちらもハイクオリティ…! pic.twitter.com/PTGjcrVneg
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月15日
日本に出回っていないブランドがほとんどなので、訪れたさいはぜひ。
ITと英語で仕事をしている国民ばかりではない
今日は日本時間に合わせるために5時起きだったわけですが、出稼ぎで来てる人たちはふつうに6時起きでパンをかじって仕事へ。全ての労働者が先進的な働き方をしてるわけじゃないんだなと。
日本にいるとヨーロッパすげーってなりがちですが、それってごく一部の話をキレイに切り取ってるだけかも。
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月14日
エストニアには、ウクライナなど周辺の国から出稼ぎに来ている方も一定数います。
日本に来る情報だと「エストニア=ITと英語で起業してる国」みたいなイメージがありますが、それってあくまでエストニアの一面ってだけだなと感じました。
ソ連だったときの痕跡も
バルト海を見るために散歩していたところ、ソ連っぽい廃墟を発見。調べると国境検問所だった建物だそうで。
国なので当たり前なのですが、いろんな側面があるなと感じたエストニアでのノマド旅でした。
結論:エストニアは仕事しながらのんびりしたいデジタルノマドに超おすすめ
「エストニアってよく聞くけど実際どうなんだろうなー」と思って訪れましたが、大正解でした。ぶっちゃけ今回行った都市のなかで一番よかったです。メジャーな観光地に興味がないノマドワーカーはとりあえずエストニアで1ヶ月くらい暮らしながら仕事するとよいと思います。マジで超快適。
— 黒田剛司 (@ktsuyoc) 2018年6月13日
エストニアってフランスやイタリア、スペインなどのようにメジャーな観光地はないのですが、仕事しながらのんびり暮らしたいノマドにはぴったりなのです。
英語が流暢なので、語学学校に通いつつ仕事という「留学×ノマド」みたいなのもしやすそう、とか思ったり。
ヨーロッパでノマドワーカーするなら、エストニアはおすすめの国ですよ〜。
ヨーロッパを1ヶ月まわった海外ノマド旅については「場所にとらわれない働き方で1ヶ月、6カ国をまわった結論【海外ノマド実体験】」にて紹介しているので、こちらもご一読ください!