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『羊と鋼の森』を読みました。
この本は、ごくふつうの青年である主人公が一人前のピアノ調律師になるまでのストーリーを描いた小説です。
まるでピアノの音が聞こえてくるような圧倒的なまでの描写もよいのですが、いわゆる平凡な主人公が音楽の世界に立ち向かっていく姿勢が非常に魅力的でしたね。
才能がない…と悩んでいる方は、いちど読んでみることをおすすめします。
才能をあきらめる口実にしてない?
「才能がない」と言ってしまうのは楽です。それでつらい現実から逃げることができてしまいますから。
ただ、才能という言葉で現状をうやむやにして、その場から逃げる理由にするのはどうなんでしょうか。
経験や、訓練や、努力や、知恵、機転、根気、そして情熱。才能が足りないなら、そういうもので置き換えよう。もしも、いつか、どうしても置き換えられないものがあると気づいたら、そのときにあきらめればいいではないか。怖いけれど。自分の才能のなさを認めるのは、きっととても怖いけれど。
才能という、どうしようもない言葉に対してここまでポジティブに考えることができるのかと思わされました。
とにかくまずは万策を尽くすことが大切だと、この本は教えてくれます。
才能は、好きという気持ち
主人公の青年が自分の才能について悩んでいるときに、先輩からかけられた言葉です。これがまた秀逸。
「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似てる何か。おれはそう思うことにしてるよ」
同じものに対して長いあいだ執着することができるというのは、確かに才能ですね。イヤにならずに続けられることは大切です。
「好きこそものの上手なれ」ということわざも、好きだからこそ苦労なく長時間することができ、そして上達することができるという意味なのではないでしょうか。
ぼくだったらなんだろう…ブログをはじめとした書きものは長時間やっても苦ではないですね。
才能で悩んでもしょうがない
ぶっちゃけ、才能で悩んでもしょうがないです。ないものはない、あるものはあるんですから。
そこで悩むよりは、自分で変えられる部分に目をむけるほうが重要です。時間の使い方、努力の方向性などなど。
そして、悩むヒマがあったら淡々とやるというのも大切ですね。手を動かして、頭を動かしてナンボです。
これに関しても、本の中にいい言葉があったのでのせておきます。よい読書でした。
才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。