仕事がつらい人に捧げたい、ミヒャエル・エンデ『モモ』の金言

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ミヒャエル・エンデの『モモ』、古くからある名著ですね。ジャンルとしては児童文学なので、漢字にはふりがながふられていて文章も読みやすい本です。

ただ、メッセージ性が強く、子ども向けというよりはむしろ大人向けなのでは?と思うほどです。とくに仕事について書かれている部分は、大人こそ読むべきだと思いますね。

子どもだけではなく大人すらも魅了するところは、さすがは何十年も残っている一冊です。一読の価値はおおいにありますよ。モモすごいですよ、モモ。

掃除夫ベッポの仕事観がすごすぎる…!

『モモ』の作中には、ベッポという掃除夫が登場します。主人公であるモモの親友のような存在で、道の掃除が主な仕事とのこと。

そのベッポの仕事に対する考え方がすごいんです。その考え方がかいま見えるシーンがこちら。

「なあ、モモ、」とベッポはたとえばこんなふうにはじめます。「とっても長い道路をうけもつことがあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、こう思ってしまう。」

しばらく口をつぐんで、じっとまえのほうを見ていますが、やがてまたつづけます。
「そこでせかせかと働きだす。どんどんスピードをあげてゆく。ときどき目をあげて見るんだが、いつ見てもこの道路はちっともへっていない。だからもっとすごいいきおいで働きまくる。心配でたまらないんだ。そしてしまいには息がきれて、動けなくなってしまう。道路はたくさんのこっているのにな。こういうやり方は、いかんのだ。」

ここでしばらく考えこみます。それからようやく、先をつづけます。
いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。

またひと休みして、考えこみ、それから、
するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。

そしてまたまた長い休みをとってから、
「ひょっと気づいたときには、一歩一歩すすんできた道路がぜんぶおわっとる。どうやってやりとげたかは、じぶんでもわからんし、息もきれていない。」

ベッポはひとりうなづいて、こうむすびます。
「これがだいじなんだ。」

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たくさんやることがあっても、シンプルに考える

やることがたくさんあるときには、ついついかたっぱしからがむしゃらに取り組もうとしてしまいがちです。

とにかく手を動かして長時間はたらくことは、なかなか継続できません。中にはいくらでも働くことのできるマッチョな方もいらっしゃるかもしれませんが。

そんなときは自分の考える範囲をせばめて、「つぎは何をすべきか」までを考えたほうがよいのでしょう。思考をシンプルにすることで、いまやっていることに集中することができます。

そして、いま自分がやっていることに没頭した結果、いつの間にか遠くに来ている、そんなことをベッポは伝えたいのでしょうね。

没頭できない努力はやめよう

逆にいえば、没頭することのできない努力はいますぐやめるべきでしょう。とにかくつらくてもやる的な努力論は捨てて、没頭できるように頭をつかうべきです。

やることがたくさんあればあるほど、いろいろな情報が自分のもとにやってきます。ついついその情報に流されてしまい、必要以上に焦ったり急いだりすることもあるでしょう。

しかし、それでは楽しむことはむずかしいのです。楽しむことがむずかしいと、仕事をはかどらせることはできません。

いちどにゴールまでを考えす、考えることを「今とその次に何をすべきか」までにおさえることが、仕事におけるポイントなのかもしれません。

ついついゴールまで早く行こうとしてしまいますが、自分がやるべきことは何かを失念しないようにしたいものです。

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黒田 剛司

福井県出身。千葉(金谷)在住。新卒でフリーランスになりました。物書きをしています。サイトも作ります。ブログ、メディア記事、サイト制作、企画、イベント運営などをやります。

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