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メンヘラ就活生の壮絶人生を描いた名著「傷口から人生。」

はじめに言っておきますが、とんでもない本です。というか、とんでもない人生です。

傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった (幻冬舎文庫)」は、著者である小野美由紀さんの実体験をもとに書かれた本ですが、まさに本になるほどぶっ飛んだ話となっています。

ぶっちゃけ、タイトルだけでもおなかいっぱい感がありますが、中身はさらに濃ゆいです。ジェットコースターにのっているような気分で読んでいました。

就活を終えた方や、これから就活をひかえている方はもちろん、大昔に就活をしていたという方もぜひ。

就活までの「抑圧された人生」

一応、この本は著者の就活にまつわるエピソードがメインなのですが、まず就活にたどり着くまでが壮絶という。

中学2年生の私は、生きるのがしんどかった。精神科でもらった薬で、やっつけやっつけ、学校に行き、行ってもパニックを起こして早退したり、保健室に無理やり引きずられて行ったりしていた。

生きていくのって、こんなにしんどいんだ、とずっと思っていた。

生きていくのって、こんなにしんどいんだ、とずっと思っていた。」ってもはや中2の発する言葉じゃないですよ。どんな中2なんですか…。

周囲の環境もあったっぽいですが、著者は自身の感受性がするどすぎたあまり、精神がおかしくなってしまっていたそうです。

普通の人だと気にならない部分がものすごく気になったりといった、ときには「才能」と呼ばれる能力が逆に悪い影響を与えることもあるのでしょうか。

就活が引き金でパニック障害に

結局、就活は50社くらいの会社を受けてどこも受からなかったという著者。このときの著者の感情が、まさに就活を物語っています。

求められることを求めると、結局誰からも求められない。でも、誰からも求められないのは、怖いことだから、皆求められるために努力する。

これぞ就活の本質なのかなと、つい考えてしまいました。

内定が欲しいということは、つまり「会社に求められることを求めている」という状態です。

しかし、たくさんの会社から求められようとするうちに、だんだんと自分が求めていることを見失ってしまうのです。

あたかも会社の求めている人がドンピシャで自分だというかのように、本当の自分をどこかに置いてきてしまう現象。

本当の自分と今ここで就活をしている自分がだんだんかけ離れていく現象を、著者はそのするどい感受性で思わず感じ取ってしまったのかもしれません。

自分のモノサシで考えよう

結局は自分のモノサシでしっかり考えることが大切です。人との関わり方、社会との関わり方を決めるのは自分なのです。そんな結論にいたったあとの著者は、こんな言葉を記しています。

自分の頭の中から出て、見た現実の社会は美しかった。自分の世界に寄っている時に見えていた社会は、醜く意地悪で、つらいものだった。実際は、誰もいじわるでも何でもなかった。

社会や会社のせいにして、自分の世界にひたるのは自由かもしれません。ただ、そんなことばかりしていてもしょうがないのです。居酒屋でグチをこぼしたところでなんにもならないのです。

そんな名言がつまった傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった (幻冬舎文庫)

就活が終わった方も、これからの方も、はたまた就活とはなんの関わりもないという方もぜひご一読を。