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「まずはいろいろやってみて、それから好きなことを見つけていったらよい。」
そんな話を聞いたことのある方は、いらっしゃいますか。実際に、幼少期からいろいろな習い事をやっていた方もいらっしゃることでしょう。
ただ、いろいろなことをやっていると決して身につかない能力もあります。
その能力がない人は、ヤバイかもしれませんね。今回はそんなお話です。
とりあえずいろいろなことをやってみればよいのか?
好きなことを見つける手段として、「とりあえずいろいろやってみる」という方法をとるというのは、わりと一般的なことかもしれません。
しかし、”社会派ブロガー”ちきりんさんと”世界一プロゲーマー”梅原さんの対談本『悩みどころと逃げどころ(小学館新書)』のなかでは、そのような方法をとることにデメリットがあることを指摘しています。
ちきりん 格闘ゲームも、10代でどれだけやったかが大事?
ウメハラ 科学的な根拠があるわけじゃないけど、そう思います。今30代の僕が勝ち続けられるのも、10代前半にとことん集中したからじゃないかと。あの時しっかりやり込んだから、頭にイメージしたことを正確に画面に反映させる技術が体にしみついて、大人になっても崩れることがない。
ちきりん だとしたら、小中学校でまんべんなくいろいろやらせるのって、デメリットもありそうですよね。大人はよく、子どもの頃はいろんなことをやって、その中から好きなコトを見つければいいって言うけど、「いろいろやる」だと、何ひとつとして「とことんやる」ができなくなっちゃう。
いま現在、ぼくはわりといろいろなことをしている印象がありますが、以前やっていたバレーボールは12、3年くらいとことん追求していました。当然、とことんやったぞという自信があります。
一旦とことんやっておかないとこの自信は身につきません。そして、とことんものごとを突きつめることそのものが、やったことのない人にはできないことなのではないでしょうか。
子どものうちに何かひとつを突きつめる経験ができたのは、かなりいいことだなと思っています。親ふくめ、環境に感謝ですね。
「まんべんなくやる」のは実はリスクだったりする
そんなぼくとは逆に、まんべんなくやっている友人もいました。ゴルフにテニスにバレーに…あとはなにか忘れましたが、とにかく習い事をたくさんしている子でした。
その子がやっていることが悪いとは言いませんが、いろいろやるというやり方だと、とことんやる力は全くつかないでしょう。
いろいろやるのはリスクヘッジのように見えて、実はリスクだったりするのです。
ちきりん 私はとくにやりたいことのない普通の子であっても、何かひとつを選んでそれを必死でやったほうが、よほど生きる力が身につくと思います。
ウメハラ でも、そういう子にとっては、その「選ぶ」ってのが難しいでしょ?
ちきりん だからこそ選ばせるんです。なぜならそれ自体が、「できるようにならなくちゃいけないこと」だから。だって社会に出る時に、「自分では選べないから、誰か僕の仕事を選んでください」ってわけにはいかないでしょ?
最終的に仕事をするとなると、まずは一つ選ばなくてはなりません。仕事というのは内容がなんであれ、誰しもがプロになる必要があることです。
その際に、「これだ」というものを選べないことにはプロになることはムズカシイです。とことんやる経験がないと、まずなにを選んだらよいのかわからなくなるのではないでしょうか。
「とことんやれる環境」をつくろう
ぼくが育ったのは福井のド田舎です。控えめに言ってもド田舎です。最寄り駅が自転車で1時間という、もはや最寄っていないレベルの田舎というとわかりやすいかもしれません。
悪くいえば「なにもない」、よくいえば「集中できる環境がある」場所でした。そのおかげでか、バレーボールはとことんやることができました。
イヤでも逃げる場所がなかった、ということもあるかもしれません。まわりには田んぼか山くらいしかないので、とにかくやるしかなかったんです。
それくらいにとことんやる環境をつくることが、何かひとつを突きつめるためには必要なのかもしれませんね。
ネットやSNSが発達し、誘惑が多い環境は今まで以上にカンタンにつくり上げることができます。
そんな状況で、どれだけストイックにものごとに打ち込める環境をつくれるか、というのは大切なことでしょうね。